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能面

能面
今日は午前中と午後の仕事の合間に、知り合いの能面師とお弟子さん達の「能面展」に行ってきました。

能面と言うのは本当に不思議な物で、舞台で演技するために作られた物であるのに、あまり演者のことは考えてなかったりします…
(目の穴が曲がってたり見えなかったり)

私達は「能面」を演技するために必要なので使いますから美術館や博物館に「お蔵入り」などせず、それこそ古い翁面などは奈良時代、傑作が多い桃山、江戸時代の「重文クラス能面」も舞台で使います。(勿論畏れ敬い、しかしそれに臆する事なく、その素晴らしい面の力を借ります)

現在作られている能面の大半は「古い傑作」を完全コピーしております。(新作面もたまにはありますが、なかなか舞台では使えないのが現状です…)
採寸、凹凸、彩色、経年劣化、傷までミリ(ナノ)単位で真似て作られますが、「本面(オリジナル)」には残念ながら全く及びもしません…

やはりそこには当時の作者の技術的な事は勿論、何者(物)にも負けない強い信念で打たれ、淘汰されてきた事と、その能面を何百年の間、何人もの能楽師が舞台で命懸けに演じ、様々の戦乱や災害を逃れ、貧困にも負けず、大事にこの平成までみんなで必死に護って伝えた「努力」と先祖への「敬意」など、そのヒストリーやヘリテイジが舞台であの底知れぬパワーを放ち続けるのでしょう。

私達もそれをひしひしと感じ、敬い一生懸命舞台を勤めておりますが、次の時代にもこのイズムやヘリテイジ、今残っている「傑作」がきちんと遺せるのでしょうか?

これってすごく大切な事だと思います。

今日はそんな事を教えてくれ、考えさせてくれる不思議な時間で、感慨深く展覧会を後にしました…

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